ads.txt: 誰が広告枠を販売する権利を持っているかを明確にする簡単な方法

Yoshihiko Miyaichi
4 min readAug 9, 2017

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Ads.txt Project

IAB Tech Labから、”ads.txt”が公表され、久々にひっくり返った。

ads.txtは、パブリッシャーにとって「誰に在庫を売るのか・売らせるのか」、広告主にとって「誰から在庫を買うのか」を明確にするためのとても簡単な仕組みです。ロボットに自分のサイトをどうクロールさせるか・させないかを決める”robots.txt”と同じようなものだと言えば分かりますかね。こんなシンプルな方法があったかと。

http://http://www.businessinsider.com/ads.txt:

#Ads.txt businessinsider.com

google.com, 4254, DIRECT
google.com, 4230, DIRECT
google.com, 4231, DIRECT
rubiconproject.com, 10306, DIRECT
indexexchange.com, 183963, DIRECT
indexexchange.com, 184913, DIRECT
openx.com, 537147789, DIRECT
appnexus.com, 886932, DIRECT
facebook.com, 1325898517502065, DIRECT
liveintent.com, 87, DIRECT

サイトのトップにads.txtを配置すると、DSPがその情報をクロールして、パブリッシャーの意図しないSSP/Exchange経由の在庫の売買を排除するというものです。

全体図は、こんな感じです。

Ads.txtの意味

パブリッシャーは、SSP/Exchangeに在庫を出したら、「その後どう売買されるか」をコントロールすることができないのが現状です。また、広告主も「このサイトの在庫をどこ(SSP/Exchange)から買えるか」や、「この在庫は、アドフラウドのような不正な手段で流通したものかどうか」を知る手段がありません。Ads.txtは、こうした問題を解決し、透明性のある取引を実現するシンプルな解決方法なのです。

そして、ある意味、ここが最も影響が大きいところなのですが、SSP/Exchangeがこっそりと(パブリッシャーに知らせず)在庫を再販売し、手数料を手にすることができなくなります

Ads.txtは普及するか

パブリッシャーは、在庫を卸すSSP/Echangeの情報を自社サイトのads.txtに書き込むだけなので、普及のハードルは低いです。DSPは、OpenRTBに仕様が組み込まれますので(現在、Public Comment Draft)、これが終われば、DSP側の実相が進むと思われます。普及のカギは、パブリッシャーと広告主が、こうした透明性を求めるかでしょうか。

Reference

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Yoshihiko Miyaichi

CEO & President, PIER1. キャリアはSoftware Technology 30年、Media Technology 20年、数年前からRPAを始めました。。思えば遠くに来たもんです。