Ad Fraudと戦うTAG

Yoshihiko Miyaichi
3 min readMay 27, 2016

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Ad FraudというとViewabilityの視点で語られることが多いですが、詐欺防止の視点もあるのでまとめておきます。

Ad Fraud

人が関与していない不正な広告トラフィック(Non Human Traffic)による詐欺行為をAd Fraudと言います。やり方は様々で、Botを使った広告の表示やクリック、iFrameを使って人に見えない形での広告表示などです。

Ad Verification

Non Human Traffic対策として、Ad Verificationツール(Moat, Integral Ad Scienceなど)が生まれ、measurement(計測)や、post-bid(入札後に除外)、pre-bid(入札前にブロック)と進化してきました。ただ、こうした対策は技術的な詐欺と対策のいたちごっこでもあります。

TAG

2015年、広告詐欺に対抗するため全米広告業協会(4A)、全米広告主協会(ANA)、インターネット広告協会(IAB)により、Trustworthy Accountability Group (TAG) が結成されました。増加するAd Fraudに業界を超えて団結して対抗しようというものです。

Verified by TAG

TAGの取り組みはAd Verificationとは異なり、金銭の流れに注目したものです。

  • Certified Against Fraud
    サプライチェーンのバイヤー、プラットフォーマー、セラーに対し、経歴調査とレビューを通じてAd Fraudに反対していることを認定するプログラム。認定された事業社には固有のIDが発行されます。広告詐欺をやらない・かかわらないことをInvalid Traffic Detection and Filtration Guidelinesの遵守のチェックにより事業社を色分けしようというものです。年間2万ドル程度の費用がかかります。
  • Payment ID
    Programmaticに取引されるImpressionごとに、誰が金銭を受け取るのかを記録・追跡するシステム。前述の認定事業社に付与されたIDと組み合わせ、詐欺業者に金銭が流れないようにします。

Ad Verificationによる技術的な対策に加え、Verified by TAGによる経済的な対策を行うことで、市場から詐欺業者を排除しようとしています。日本の事業社も海外在庫の買い付けや、日本在庫の販売を行っていることから、こうした流れに注目していく必要があるでしょう。

Reference

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Yoshihiko Miyaichi

CEO & President, PIER1. キャリアはSoftware Technology 30年、Media Technology 20年、数年前からRPAを始めました。。思えば遠くに来たもんです。